メッシ退団後のバルセロナを徹底解剖
※この記事は、約10~20分ほどで読めます。
2021年8月5日、木曜日。
突然の発表に、全世界が激震に揺れた。
この発表の数時間前まで、契約延長は確実であろうと見られていたが、実現することはなかった。
ラ・リーガの定めるサラリーキャップ制度をクリアすることができず、契約延長は叶わず。
絶対的エースを失ったバルセロナ。この出来事による影響とはどのようなものなのか、また、彼らの今後はどうなっていくのか。個人の見解を元に紐解いていきます。
※データは全て”記事執筆時点(2021年8月8日)”のものになりますので、ご了承ください。
( 1 )退団に至った経緯
まず初めに、メッシが退団に至った経緯をご紹介します。
https://twitter.com/ssfm1902/status/1423344010299539456?s=21
https://twitter.com/ssfm1902/status/1423371539466964995?s=21
※ssfm1902(@ssfm1902)より引用
簡単にまとめると、
①リーガにはサラリーキャップ制度があり、バルサはその上限を大幅に上回っていた。
②メッシは2021年6月30日に契約が切れていた、いわゆる無所属状態だったので、再契約し再び登録するにはこのサラリーキャップを大幅に減額しなければならない。
③その額およそ2億€とされるが、メッシの契約延長合意までに削減ができなかった。
④合意が破談、メッシの退団が決定。
ざっくり言うとこんな感じになりそう。
他にもCVC投資ファンドの件もあったりしますが、話がややこしくなるので本記事では触れません。
ラポルタ会長も会見で、メッシ本人は残留したかったこと、クラブとしても残留してほしかったことを強調していますので、望まぬ結末であったことは確かでしょう。いずれにせよ、円満な結果ではなかったことは間違いないと思います。
( 2 )メッシ退団による経済的な影響
続いて、メッシの退団による経済面の変化について、話していこうと思います。
メッシの年棒はとんでもない額なので、その分クラブがメッシに払うお金は他の選手に払うお金よりもかなり多いです。まあつまりそれだけの実力があるということです。”他より多くのお金を払う=支出が増える”なので、普通に考えたら財政は厳しくなる一方なのですが、メッシの場合は変わってきます。メッシほどの選手になれば、世界中にファンを持ち、誰もが憧れるような存在になります。そのため、ユニフォームやグッズなどの収入が増えたり、メッシのプレーを見ようとスタジアムに足を運ぶ人も増えます。これによって莫大な収入を得ることができるので、結果オーライなのです。”いっぱいお金を払うけど、それ以上にいっぱいお金が入ってくる”って感じですね。
莫大な利益をクラブにもたらしてくれていたわけなので、そのような選手がいなくなってしまうと、しばらくは大丈夫でしょうけど、そのうち循環がなくなるので、単純に収入が減ります。そうなると補強やスタジアムの運営などに影響が出てくることになってしまいます。バルサの場合は前会長の大沼害悪ムーブによりそもそもお金がないのですぐには実感できないとは思いますが、収入が減るので今の財政難を乗り切るのは少し難しくなるのかなーと感じたり。
( 3 )メッシ退団による戦術的な影響
大黒柱が離脱したことで直面する問題のひとつに挙げられるのは、チーム編成です。これまでの中心だった選手がいなくなるので、チームの構成をまた考え直さなければなりません。これにより、本来は放出するつもりだった選手を残留させるなんてことも出てきます。
なので、今後のバルサの陣容がどのようになるのか、データを元に予想していきます。
〇進まない人員整理
現在、バルサの放出候補として挙がっている選手は以下の通りです(サイトや情報誌、個人の解釈によって異なるので、この選手たちが絶対というわけではない)。
・ネト・ムラーラ
・クレマン・ラングレ
・サミュエル・ウンティティ
・セルジ・ロベルト
・ウスマン・デンベレ
(※登録ポジション順)
この中で、情報によっても異なりますが、ピャニッチが最も移籍に近いとされています。ローンでのユヴェントス復帰が濃厚とのこと。(記事執筆時点)
https://twitter.com/barcacentre/status/1423918488251420673?s=21
※barcacentre(@barcacentre)より引用
(追記:ここでは載せませんでしたが、イライシュ・モリバも去就が不透明になっています。アンス・ファティと並んで、””カンテラの最高傑作””とまで称される同選手ですが、果たしてどうなるのやら…。)
財政難が酷いので、今夏は放出も進めていきたいバルセロナですが、なかなか上手くいかない日々が続きます。怪我、高給取り、移籍拒否など、原因は様々ですが、サラリーキャップの上限をオーバーしたままにもいかないので、なんとしても選手の放出は努力したいところ。
今季は既に、
・フランシスコ・トリンカオ(→ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズ/買取OP付きレンタル)
・フアン・ミランダ(→レアル・ベティス/レンタル→完全移籍)
・ジュニオル・フィルポ(→リーズ・ユナイテッド)
・カルレス・アレニャ(→ヘタフェ/買い戻しOP付き完全移籍)
の5選手を放出してはいますが、サラリーキャップをクリアするにはまだ程遠い状況です。サラリーキャップをクリアしなければ、”新戦力が登録できない!”なんてことになってしまうので、早めに解決したいところ。
※2021/10/18追記
イライシュ・モリバはライプツィヒ、ピャニッチはベシクタシュへの1年ローンが決定しました。また、グリーズマンのアトレティコ・マドリードに条件付きでローン復帰が決定。また、Bチーム所属だったオリオル・ブスケツのクレルモンへの完全移籍が決定しています。
〇状況が複雑な「不良債権s」
バルサには、「不良債権」と呼ばれる選手が一定数います。彼らを放出しようと動いても、怪我でどうなるか分からない、高給取りだから給料が払えない、本人が移籍したがっていない、などの問題もあり、なかなか放出のできない状況が続いています。
・サミュエル・ウンティティ
・ウスマン・デンベレ
の4選手と見られています。
グリーズマンも移籍金に見合った活躍を見せているとは言い難い部分もあるので、不良債権とされることもありますが、この記事内では上の4選手を主な不良債権として扱っていきます。
①ウンティティ
この中で、特にウンティティの放出を一番に進めています。2016年に、オリンピック・リヨンより加入。加入当初はマスチェラーノからスタメンを奪うなど素晴らしい活躍を披露していましたが、2018年ロシアW杯後から一気に崩れ、当時新加入だったラングレにあっさりスタメンを譲ってしまい、怪我が増えるなど、調子の上がらない日々が続き、現在に至ります。そこで、バルサはウンティティを放出したいと考えているのですが、高給取りであること、本人が移籍したがっていないこともあり、なかなか買い手が付かず。オファーもいくつか来ているようですが、大幅に進展のあった取引は記事執筆時点ではなさそうです。なんとかして今夏で彼を放出したいバルサはウンティティに対して法的処置を取るとも言われていますが、万が一残留になってしまうのであれば、大幅な減給を呑まない限り、居場所はないでしょう。
ピャニッチは、アルトゥール・メロとのトレードで、ユヴェントスからやってきました。長短のパスを生かした展開力や、プレースキックなどが魅力の選手です。これだけ聞くと、バルサに合いそうな選手だと感じますが、現実は残酷でした。ブスケツの代わりとして期待されていたものの、試合にはあまり出ることができず、ゴールもアシストも記録することができませんでした。ブスケツの代わりにはフレンキー・デ・ヨングなどが優先的に起用されることとなりました。クーマン監督いわく、”イタリア式の守備が染み付いていて、バルサの守備に合わない”というのがあるようで、バルサはハイプレスなどを軸にしていることが多いですが、イタリア式の守備では、リトリートで後ろに下がって守備ブロックを組むやり方なので、全く違う守備の仕方になります。これだけが理由ではないと思いますが、おそらくクーマン監督はこれが気に入らず、起用に至らなかったのではないかと考えます。わざわざ若い選手とのトレードでやってきたので、活躍できない状況が続くと次第にバルサファンの間で放出候補になっていきました。実力は申し分ないのですが…。
(ちなみに、トレード相手だったアルトゥールもユヴェントスであまり活躍できていないと聞きます。なんという皮肉…。)
”ネイマールマネー”で獲得した2人目の大型取引になりました。サイトや情報によっても異なりますが、移籍金はボーナス含め、日本円でおよそ217億円と推定されています。これだけ大きな取引だったので、相当な期待が込められていたと思いますが、蓋を開けてみたらあら大変。初年度こそ、そこそこの活躍を披露しましたが、次年度に背番号を14から7に変更。この変更が直接影響したわけではないですが、まさかの大不振に陥りました。コウチーニョ本人も自信をなくし、プレーする度に批判に晒されるなんてこともありました。3年目となった2019-20シーズンは、バイエルンにレンタル移籍。背番号10を貰い、中心選手として見事な活躍を見せました。特にCLでの活躍は個人的にかなり印象に残っています。2020-21シーズンはバルサに復帰、グリーズマンが背番号を17から7に変更したので、コウチーニョは初年度に着けていた14番を選びました。シーズン序盤の数試合はトップ下として活躍を見せていましたが、ペドリら若手の台頭と、自身の怪我により、再び活躍ができなくなるといった事態になってしまいました。これにより、元々あった放出の声がさらに強まっていきました。これまで、アーセナルやレスター、エヴァートン、トッテナムなどのプレミア方面や、ミランなどの様々な噂が上がりましたが、噂で終わったり、オファーが来てもまとまらずに断念、なんてこともあり、未だにバルサに残っている形になります。しかしクーマン監督は彼を信頼しているので、メッシ以後の中心選手として活躍するというのももしかしたら…。
④デンベレ
”ネイマールマネー”1人目の大型補強。モーリタニアにルーツを持つフランスの快速アタッカーは、当時ドルトムントで目まぐるしい活躍を見せていたので、バルサはボーナス含め最大およそ191億円を払って獲得しました。当時20歳だった彼は大きな期待を背負い、前シーズンまでネイマールが着けていた11を受け継ぎました。活躍が期待されていたものの、わずか9試合ほどでいきなり負傷。復帰したあとも負傷を繰り返し、遅刻癖など素行面も問題視され、不完全燃焼の初年度でした。2年目となった2018-19シーズンは、43試合に出場するなどコンスタントに出場機会を獲得し、そこそこの成績を収めましたが、やはり怪我やピッチ外での行動が問題視され続け、ファンの信頼を勝ち取るには至りませんでした。続く2019-20シーズン、序盤で負傷すると、それがかなりの重症でありなかなか復帰できない時期が続きました。2020年2月、リハビリの最中に再度負傷、半年離脱の大怪我を負いました。8月15日、シーズン最終戦となったバイエルン戦で復帰しましたが、出場はなく。このシーズンのチームの成績も良くないものでした。4年目となった2020-21シーズン、既に4年間も在籍しているので、ここで活躍できなければ本格的に厳しい状況に追い込まれるという状況でした。序盤は出場機会があまりありませんでしたが、シーズン中盤に入ると、過去の鬱憤を晴らすかのように主力として活躍を見せました。怪我も少なく、遅刻も減るなど、多少の名誉挽回にはなったのではないかと思います。が、しばらくして2019年の日本遠征の時の日本人スタッフに対する侮辱的な発言が出回り、大きな騒動となりました。在籍5シーズン目になりますが、未だに完全にファンの信頼を掴んだ、ということもなく、常に放出候補として名が挙がります。
〇”ネイマールマネー”で獲得した3選手
2017年にネイマールがPSGに移籍した際の移籍金+その他のボーナスを使って、バルサはデンベレ、コウチーニョ、グリーズマンを獲得しました。「デンチーニョマン」としてバルサファンの間で話題に出てくる彼らですが、それぞれ191億円、217億円、150億円とかなりの額。全員がそれに見合う活躍を見せているとは正直言い難い。そこで、この3選手の今後を自分の見解を元に見ていこうと思います。
まずはコウチーニョから。2018年1月に、リヴァプールから加入しました。彼の場合、中心にしてあげると輝く、いわゆる「王様タイプ」の選手なので、メッシがいたバルサでは役割が変わってくるのであまり活躍ができませんでした。もちろん、プレミアリーグと違ってリーガはスペースがないので、慣れないプレー環境もあったと思います。しかし当然、リヴァプールでは彼が中心になっていた部分もあるので、目まぐるしい活躍を披露できていました。なので、メッシがいない今、彼を中心にしてあげればまた輝けるのかなーなんて思ったりもしますが、彼も29歳。ピークは過ぎていると言ってもいいでしょう。今から彼を中心にしたチーム作りをしても、数年以内に退団する見方が強いので、厳しいと見ています。もちろん、ロマンがあってとてもいいですし、個人的にも見てみたいですね。買い手が付かないので残留予想です。
②デンベレ
2017年に弱冠20歳でドルトムントから加入。ムバッペと2択だったと言いますが、当時はムバッペも凄かったですが、デンベレがかなりのものだったので、デンベレを選ぶ選択も理解できました。
彼の場合はプレーの雑さ、コンディションの波、サボり癖、ピッチ外での問題などで度々批判の対象になりますが、彼のスピードやドリブルは1級品です。1人で状況を打開することもできます。両利き(一応本人いわく左利きらしい)なので、どちらの足でも遜色ないプレーができるのも彼の強みです。20-21シーズンはCFで起用されることもあり、その際はスピードを生かした裏抜けがかなり脅威になっていました。メッシがいなくなったので、デンベレまで移籍となると、1人で状況を打開できる選手が少なくなるので、そういう面ではデンベレはありかなと考えます。デンベレみたいなタイプの選手はなかなかいないですし、希少性は高い選手です。
ジョーカー的な役割などを与えるのがいいと思います。
リーグのセビージャ戦で、全力で猛プレスをかけてジュール・クンデをタックルで吹っ飛ばしたシーンはかなり印象的でした。
在籍期間がトップチームの選手の中では長いので、キャプテンマークを着けている場面を見ることもあるかも。
個人的には彼のシュートのフォームはかなり好きで、いつも綺麗だなーて思ってます(関係ない)
実力は申し分ないので、決定力が付いてくればより化けるかなと。クロスやパスの精度が上がるとなおよしです。在籍5シーズン目なので、ここでダメだったら正直厳しいと思います。
あとシンプルに推しなので頑張ってほしい。
③グリーズマン(アトレティコ・マドリードに復帰)
2019年にアトレティコ・マドリードから加入。
加入当初はデンベレの負傷離脱などにより左ウィングでの起用が多かったですが、クーマン監督が就任してからは、トップ下や2トップの一角としての起用が増えました。彼も中心にしてあげるとより輝くので王様タイプに分類できますが、他の王様タイプと違うのは、守備で貢献ができるという点です。彼の良さでもあります。グリーズマンは、元々守備を頑張るFWとして定評があります。最近、バルサで少しずつフィットしてきたなと感じる理由の一つにここがありますね。メッシが守備ブロックに組み込まれなかったり、守備のタスクが軽くなっている分、グリーズマンがそのタスクを代わりにやるみたいなこともありました。アトレティコ時代の活躍をバルサで見たいと思っているので、彼とコウチーニョで中心を担うなんてことも夢があっていいと思います。しかし彼に関しては既に30代に突入しているので、彼もコウチーニョ同様数年以内に退団する見方が強いです。
〇期待の新加入選手
バルサは今季、
・エメルソン・ロイヤル(レアル・ベティス→)
・ユスフ・デミル(ラピド・ウィーン→/B登録、買取OP付きレンタル移籍)
の5選手を獲得しています。このうちエメルソン以外は移籍金がかかっておらず、エメルソンも元々共同保有だったこともあり相当安い金額で獲得しています。
お金がないことを上手く利用した、とてもいい戦略です。
選手層が豪華になる一方で、どのように共存させていくかも課題になりますが、ここはクーマン監督の腕の見せどころでしょう。
※2021/10/18追記
エメルソン・ロイヤルはトッテナムへの完全移籍が決定。わずか1ヶ月ほどで退団となりました。
ユスフ・デミルはグリーズマンの退団に伴い、いきなりのトップチーム昇格の形となりました。
また、グリーズマンの退団に伴い、セビージャFCから1年間のローンでルーク・デ・ヨングを獲得しました。
〇メッシ退団後の中心選手
戦術的な影響と言いながら全く戦術的な話をしていないので、そろそろ戦術的な話をしたいと思います。メッシはシーズン30点40点は当たり前、調子が良ければ50点取るような選手です。攻撃のスタッツはほぼ毎年、ほとんどの項目が1位。
https://twitter.com/barcaworldwide/status/1424327485924196353?s=21
※ツイートはBarça Worldwide(@barcaworldwide)より、画像はTM(@TotalLeoMessi)より引用。
そんな選手を失うわけですから、チームとしての得点能力は下がるわけですが、新たな中心選手を軸に丁寧に形を作って、徐々に積み重ねていけば、時間はかかると思いますが、勝てるチーム、少なくとも負けないチームは作れるわけです。新たな中心選手の候補としては、コウチーニョ、フレンキー・デ・ヨング、ペドリ、アンス・ファティなどが挙がっていますが、コウチーニョはアラサー、ペドリとアンス・ファティはまだ10代というのもあるので、デ・ヨングを中心としたチーム作りがメインになってくるかなと思います。もちろん、コウチーニョに中心的な立場を与えるのも、個人的には全然いいですし、見てみたいですが、やはり年齢を考えると長くはできないです。世代交代も進めていかなければいけないので。だからといって、ペドリやアンスはまだ10代なので、重荷を任して負担をかけてはいけません。なので、年齢的にもポジション的にも、デ・ヨングがいいのかなと思います。
〇基本システム
選手が変われば、当然フォーメーションやシステムなども変わってきます。離脱する選手がエースともなれば大幅な変更もあるかもしれません。
バルセロナの今後のシステムを予想していきます。
・20-21バルセロナが使用した主なフォーメーション
(※数合わせのため、負傷者や出番のなかった選手も名前を入れています。)
4-2-3-1 4-3-3
3-4-2-1 3-1-4-2
この中で、個人的に特に上手くいったと感じるのは3バックの2つですね。
特に3-1-4-2はかなり効率の良いフォーメーションだと思っていて、利点をあげるとするなら、
・5バックに可変できる
・ブスケツが生きる
・元々CBが3枚、アンカーが降りなくても、ビルドアップの面で安定しやすい
・ペドリが前目の位置でチャンスメイクができる
・デ・ヨングの飛び出しが有効になる
・メッシが守備ブロックに組み込まれない分をカバーしやすくなる
・すぐ後ろにペドリとデ・ヨングがいるのでメッシの自由度が高くなる
・2トップの起用の幅が広がる
こんな感じでしょうか。
(実は戦術はあまり詳しくないので、”ここがいい!” ”ここがすごい!”とは自信を持って言えないです。自分の主観によるものなので、間違っている部分もあるかも。”ここはこう!”というのがあれば、教えてください。)
・21-22シーズン以降の予想フォーメーション
(※去就が定まっていない選手も入れています)
※ここから先は、新加入選手が登録できたと想定して話します。
続いて、21-22シーズン以降の予想フォーメーションです。4バックがメインになると思います。
プレシーズンマッチではずっと4-3-3を使用しているので、今後も4バックではないかという推測です。信ぴょう性は分かりませんが、ラポルタ会長がクーマン監督に3バック禁止令を出したとの報道もちらほら見かけましたので、こちらも加味しての推測になります。
4-2-3-1の場合は、ペドリの疲労や、アンスのコンディション問題などもあるので、左からコウチーニョ、グリーズマン、デンベレの並びでも全然やれそうな感じはあります。プレシーズンを見る限りはメンフィスがかなり良いので、メンフィスはスタメンで見てみたいなと思います。
4-3-3では、3トップの並びはかなり自由度が高まるかなと思います。これは4-2-3-1でも同じことが言えますね。記事内の予想フォーメーションでは、左からメンフィス、アンス、グリーズマンになっていますが、1番スピードのあるデンベレを起用したり、様々な起用法が試せます。メンフィス、アグエロ、デミルの新加入3人組の連携なんかも見てみたい。デミルはB登録(※今はトップチーム)なので、出番があるかはシーズンが始まってみないと分かりませんね。
・FW
CFに関しては、様々な意見があり、最も意見が別れる部分でもあると思います。なんにせよ、CFとしてプレーできる選手が、アグエロ、ルーク・デ・ヨング、ブライスワイト、アンス、メンフィス、デンベレといますので、意見が別れるのは当然でしょう。
アグエロが「控えでもいい」と言ってくれているので、アグエロはジョーカーのような役割で、純粋なストライカーが欲しい展開の時に投入するとやってくれそうな予感がします。
ブライスワイトは、残留するかどうかは分かりませんが、CFよりはウィングで見たい選手です。CFはボールを収める能力が必要だと考えているので、技術の面で他より劣るブライスワイトにこの役割を求めるのは酷かなと。もちろん、裏抜け専門にすればいいですが、CFにはもう少し技術を求めたいので、ブライスワイトはウィングで使ってほしいです。適正は左の方があると思いますが、おそらく右も行けるので、ぜひ試してほしい。昨季CFとしてプレーした時はある程度いいプレーを見せてくれていたので、CF起用もオプションとしてありだと思ってます。
デンベレに関しては、昨季CFで起用してかなり良かったので、オプションのひとつとしてはありだと思います。が、こちらもブライスワイトと同様ウィングで見てみたいです。特に右。デンベレは左ウィングより右ウィングの方がパフォーマンスが良いのと、左ウィングはアンス、メンフィス等、スピードタイプはいますし、他にもコウチーニョ、Bまで行くと安部裕葵(退団濃厚)など、そもそも人数が多い。その分ライバルも多いです。右ウィングはコジャド、デミルなど。(他にいたらごめんなさい)人数が左よりは少ないと感じるのと、2人ともデンベレとはタイプが違うので、デンベレは右で見たいと思っています。セルジ・ロベルトがこのポジションでプレーすることが可能ですが、現実的な選択肢ではないです。そう考えると、デンベレは右ウィングでの起用が主になるかなと思います。セルジーニョ・デストがなかなか活躍してくれてるので、面白くなりそうです。
ルーク・デ・ヨングは、高さがあり、ポストプレーでも良さを見せる選手で、バルサになかった空中戦の強さを持っている選手です。と思ってたんですが、ここまでは散々なパフォーマンスに終始し、試合に出ずとも批判されるまでになってしまいました。ローンなので、来年にはセビージャに戻ると思いますが、なかなか厳しい状況が続いています。
CFに偽9番を起用するのであれば右のファーストチョイスはデンベレでいいと思いますが、そうではない場合はコジャドやデミルにもたくさん機会を与えてもいいと思います。繰り返しになりますが、ブライスワイトの右起用も見てみたいですね。
・MF
さて、中盤ですが、セルヒオ・ブスケツ、デ・ヨング、ペドリの3人が不動の地位を保っています。中盤のファーストチョイスはこの3人で文句はないでしょう。
プレシーズンマッチでは、17歳のガビ(パブロ・パエス)が台頭、圧巻のパフォーマンスを披露し、すぐさまファンの心を射止めました。ペドリが昨季は代表含め73試合に出場するなど出ずっぱりだったので、ガビがいることで少しでもペドリを休ませることが可能になります。
ガビの他にも、リキ・プッチ、ニコ・ゴンサレス、イライシュ・モリバ(→ライプツィヒ)など、たくさんの有望株が揃っている中盤。この中でもニコは、ブスケツの後釜として期待されているアンカーの選手です。今まではデ・ヨングなどがブスケツの代わりを務めていましたが、遂に正当後継者が出てきたという感じです。まだまだポジショニングなどの改善点もあるので、試合に出場していく中で改善していってほしいですね。また、アンカーの選手ならブスケツと同姓(血縁関係はない)のオリオル・ブスケツ(→クレルモン)も楽しみな選手の1人です。
セルジ・ロベルトが中盤に戻るという噂もあるので、中盤の人選は非常に楽しみです。
・DF
今のバルサの弱点はDFにあると言われていますが、その陣容はどうなるのか。
CBを見ていくと、アラウホは必須級な気がします。バルサのCBで数少ない身体能力が高いCBなので、重宝します。足が速くて背も高いので、アラウホは当確でいいでしょう。
その相方ですが、ピケ、ラングレ、ミンゲサ、エリック・ガルシアなどが挙がるわけですが、アラウホが身体能力系なので、こっちには足元の技術が高い選手を置きたいです。バルサのCBは基本的に足元が上手い選手が多いので、ここに経験値やメンタリティなどを加味して考えます。なるべくアラウホとの補完性が高いといいですね。
そうなるとミンゲサは厳しいかなと思います。ポジショニングがまだまだ発展途上なのが大きいです。どちらかというとSB向きの選手な感じがします。DFならどこでもできるユーティリティさを持っているので、SBでの起用も増やしていくとより成長できます。
エリック・ガルシアは、アンカーでもプレーできるので、上手に使い分けていきたいところ。上背がないのは弱点になりますが、カンテラ出身ですし、アラウホとの補完性は完璧なので、経験を積めばかなり成長が見込める選手です。
ラングレ。ラングレはこの中で(ウンティティ除いて)唯一の左利きであること、怪我が少ないこと、パスが非常に丁寧かつ正確で、ビルドアップはかなりの腕前であること、アラウホとの補完性も高いことで、アラウホの相方にはピッタリのように思いますが、手癖が悪いのと、メンタルが弱いので、ここの部分はマイナスになってしまうかなと感じます。理想型ですし、能力は申し分ないので、自信をつけてあげるとさらに伸びると思います。
最後にピケ。1番アラウホの相方に推したいCBです。34歳のベテランですが、経験値も非常に豊富で、22歳のアラウホにとっては頼りになる存在なので、メンタリティの面でも大きな影響があります。積極的に声を出してチームを鼓舞したり、第2キャプテンを務めるなど、リーダーシップも抜群です。バルサのCB陣で最も背が高いので、空中戦でも頼りになります。未だにパスはかなりの腕前でビルドアップは健在なので、アラウホの相方にはピッタリな選手です。
※素でウンティティ忘れてました。ウンティティが復活するのであれば文句なしで彼がファーストチョイスです。
続いてSBの話題に行きましょう。
SBは特に左SBが危ない状況で、アルバが不動のレギュラーとなっていますが、彼も32歳なので、そろそろ後釜を見つけないといけない時期です。しかし、代わりの左SBを連れてきても、信頼を勝ち取り切れずに移籍するというのがありました。解決策としてはBチームに在籍する18歳のアレハンドロ・バルデの登用が最有力となっています。ウィンガーとしてもプレーできるバルデは、テクニックとスピードに優れた選手なので、アルバの後釜を任せてもしっかりと務まると考えられます。年齢と経験だけがネックですが、数々の10代選手がバルサでブレイクしているのを考えるとそこまで問題ではないように感じます。
第2の解決策が、セルジーニョ・デストの左SB起用です。デストはバルサでも数試合、左SBを経験したり、アメリカ代表でも左SBでプレーしていたので、好材料になりそう。
右SBは、ミンゲサとデストを使い分けていく感じになりそう。デストは、若手の加入初年度としてはかなりの出来でした。””デストは第2のダニ・アウヴェスになれる””とまで称される20歳の若武者。SBのみならずインサイドハーフでもプレーすることができるので、ユーティリティさも彼の良さです。どちらかといえば攻撃に魅力のある選手で、守備はまだまだ改善点が多いので、経験を積んでいく過程で克服していければいいですね。
ミンゲサも、攻撃が好きなタイプの選手です。本職はCBですが、SBの方が向いていると思います。昨シーズンからの成長が大きく、びっくりするくらい変わっているので、今後への期待が膨らみました。スピードがあり、やる気に溢れている選手なので、期待したい選手の1人です。
GKは言わずもがなです。今季もテア・シュテーゲンにお願いしましょう。187cmと、GKの中では低い部類になりますが、それを感じさせないくらい能力が高いです。主に問題になるのはセカンドキーパーで、正直ネトはセカンドのレベルではないくらいレベルが高いGKなので、もったいないです。ネトの貢献度は大きいですし、残ってほしいという気持ちも理解できます。ですが、経験を積ませるという意味でもセカンドはペーニャに任せた方がいいのかなとも感じたり。
〇プレースキッカー問題
意外と忘れがちですが、もうひとつ、メッシの退団で問題になることがあります。プレースキッカーは誰が務めるのかという問題です。バルサのプレースキッカーは長年メッシが務めてきました。彼が蹴るFKは数々の人を魅了してきましたし、精度も相当高いので、個人的にはとても好きでした。
しかし、その一方でメッシがいない時に代わりにプレースキッカーを務める選手が不在という課題がありました。ネイマールが退団してからは特にその課題を感じることも多いです。CKは色んな選手が蹴っているので問題ないですが、FKとPKはメッシが務めてきたので、ここの代わりを誰に任せるかということです。候補としては、メンフィス、コウチーニョなどがいますが、FKはメンフィスとコウチーニョ、PKはアンスかメンフィスになると思います。
意外と知られていませんが、メンフィスのFKはかなりの腕前で、精度もなかなかのものです。マンチェスター・ユナイテッドやリヨンでも、数々のFKを蹴ってきました。
PKはアンスかメンフィスの予想です。メッシが欠場していた時は様々な選手がPKを蹴ってきましたが、そろそろ固定したいところ。メンフィスはバルサ以外の場面でPKを数多く決めているので、候補に入ると思います。
アンスは若干ロマン枠もありますが、アンスはシュートの精度が高いのと、メンタルがしっかりしているので、PKは向いてるなと感じます。コンディション面は試合に出てみないと分かりませんが、候補としてはありだと思います。
とまあ、長くなりましたが、戦術的な話はここで終わりたいと思います。
〇新10番は誰?
最後に、バルサの新10番を予想していきたいと思います。永久欠番にしろ!という声もありますが、ラ・リーガの規定上、それはできないことになっています。もちろん、25枠のトップチーム枠に空きがあって、意図的に着けないとかなら可能です。
最有力はやはりアンス・ファティ。”ようやく出てきたメッシの正当後継者”なんて言われてたりもします。その実力は18歳ながら素晴らしいものがあり、今後のサッカー界を引っ張っていける存在になるでしょう。まだ18歳なので、いきなり10番を背負わすのはさすがに本人にとっても荷が重すぎるので、”数年が経過してから10を渡す”というのが理想的なシナリオになりそう。次のバルサの顔になるべき選手だと思うので、順調にキャリアを歩んでいってほしいと思います。
メンフィスやアグエロ、コウチーニョらに10を渡すという手もありますが、さすがにそれだとあまりに軽すぎるので、まずないでしょう。さすがにフロントも分かってるはずです。
”適任がいない”という意見もあります。マラドーナやリヴァウド、リケルメ、ロナウジーニョ、メッシと偉大な選手たちがつけてきた番号で、”バルサの10番”は特別な番号です。気安く扱うものではありません。10番を貰うということはそれほど期待されているわけなので、かなりの重荷です。特にメッシの後となると相当なプレッシャーに繋がります。FWの選手が着けるとなると常に比べられる可能性だってあるわけで。そういう面でも、適任がいないという気持ちも理解できます。
2021/10/26追記:
新10番はアンス・ファティに決定しました。本人は全くプレッシャーになっていないと語っています。
( 4 )終わりに
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
初めての記事なので、拙い部分もあったかと思います、ごめんなさい。
これからも、気まぐれに発信していければなと思っております。
FCバルセロナ。今後も苦しい時間が続くのかもしれませんが、粘り強く応援していきましょう。
ただ、血迷って変な迷走をするのだけはやめてもらいたいと思っています。。。
ForçaBarça! ViscaCataluña!
終